2003/3/3発売
- Treading / NAHKI
- Right Time Is Comin’ / MACHACO
- Nice Up The Time / ZEBRAMAN
- Kokoro Sono Oku / B-Ninjah
- Tsunagaro / PAPA-B
- Treading (Version) / STEELY & CLEVIE
- Stand Firm / NAHKI
- Shining Forever ~Melody Life~ / MACHACO
- Close Your Eyes / WONGGY
- Dream Com True / B-Ninjah
- ゆれてこ ~Let It Go~ / BOOGIE MAN
- Stars (Version) / STEELY & CLEVIE
- Treading (Inna Di Mix Up Style) / NAHKI, MACHACO, ZEBRAMAN, B-Ninjah & PAPA-B
- Stars (Pon Di Mix) / NAHKI, MACHACO, WONGGY, B-Ninjah & BOOGIE MAN
ジャパニーズ・レゲエが、多少なりともJ・ポップスのひとつのジャンルとして認識されるようになって、もうかなり経った。この間に、多くのアーティストがメジャー進出し、一定の成果を収めシーンの拡張の原動力になってくれた。オーセンティックなスカやルーツ/ダブ系のミュージシャンたちも、深い愛情を持って自分たちの作品を発表し、レゲエ・ミュージックの底力を一般のリスナーたちに見せつけてくれた。ただ、まだ満足するワケにはいかないだろ。
クラブ・プレイの活動を拠点とし、そのネットワークでシーンを形成してきたダンスホール系のアーティストに関しては、最近では、やや画一的な傾向の作品が多すぎる様な気もする。CDショップの店頭に並ぶ、何万枚もの商品の中からその1枚をピック・アップしてもらい、買ってもらうことの大変さを考えれば、作り手は、いかに他者との違い、より良い音楽性を感じてもらえる作品を、オリジナルな感性で発信し続ける「義務」にも近いものがあるだろう、とも思う。
尾張名古屋の導き星こと老舗サウンド「GUIDING STAR」の主宰するSTARS’ ARENAレーベルのコンピは、この何とも言えない「さりげなさ」が良くて、何度も聞いている。BGMとして流しっぱなしにしていても、午後の部屋の雰囲気を安らかなものにしてくれるし、リリックに耳を傾けてみても、共感できる。普通に聴けて、普通にいい。自分たちの好きなレゲエとは、どんなフィーリングを持っていて、どんなところが好きだったのか。その生活必需品である大切な「音楽」というツールを、普段の暮らしの中で、実際、自分はどの用に活用してきたのか。そんなことを再認識する様な気分にさせてくれる。
レゲエにはいろんなスタイルがあり、それぞれに魅力的だ。それに、まだまだレゲエ自体に詳しくないリスナーに聞かせたことのないタイプのレゲエが多くあると思う。GUIDING STARの様なヴェテラン・サウンドのレーベルが、こうしたコンピを作ってくれたことは本当に素晴らしいと思う。感謝したい気分だ。
2003年1月23日 茂呂尚浩